現代の生活に欠かせないプラスチック。便利さの一方で、マイクロプラスチックによる環境・人体への影響も懸念されています。依存と責任、そしてこれからの付き合い方について考えます。】
目次
私たちはプラスチックに囲まれて生きている
現在、私たちは様々な物に囲まれて生きています。
身近にある多くのものに、必ずと言っていいほどプラスチックが含まれています。
豊かな現代で、私たちは何を得て、そして何を失ったのでしょうか。
プラスチック依存の現実 ― 「悪」とは言い切れない理由
以前、海外で環境活動家と議員が討論しているYouTube動画を観たことがあります。
環境活動家は「プラスチックをなくすべき」と訴えていましたが、議員はこう答えていました。
「我々はプラスチックに依存しており、代替案を持たずに批判するのは現実的ではない。」
確かに、メガネ、食品容器、医療機器、インフラのパイプなど、
あらゆる分野でプラスチックは欠かせません。
その軽さ・加工のしやすさ・安さが、現代社会を支えているのです。
日本でも始まった「プラスチックをどうするか」という議論
日本の国会でも「プラスチックは悪なのか?」という問題提起が行われました。
現在、自治体ごとにプラスチックの分別回収が進んでいますが、
それによって焼却炉の温度が十分に上がらないといった課題も出ています。
地域によって事情が異なるため、
一律ではなく柔軟な対応が求められている段階にあります。
マイクロプラスチック ― 目に見えない危険
プラスチックは便利ですが、近年では体内からマイクロプラスチックが検出されるなど、
新たな問題も浮かび上がっています。
まだ健康被害が確認されたわけではありませんが、
「気づいた時にはすでに遅い」可能性も指摘されています。
📚 出典・研究例
- Leslie, H. A. et al. (2022). Discovery and quantification of plastic particle pollution in human blood. Environment International, 163, 107199.
- Ragusa, A. et al. (2021). Plasticenta: First evidence of microplastics in human placenta. Environment International, 146, 106274.
劣化と拡散 ― 家庭から生まれるマイクロプラスチック
長年使っていた衣装ケースやビニール袋がボロボロに砕けた経験はありませんか?
プラスチックは紫外線などで劣化し、小さな破片になっていきます。
一度粉々になると、もう回収はほぼ不可能です。
それがやがて川や海に流れ込み、
海洋生物を通して私たちの体にも戻ってくる。
そんな循環が、今まさに起きているのです。
海洋プラスチックの回収への挑戦
それでも、解決の芽はあります。
オランダの団体「The Ocean Cleanup」は、
海洋に流出したプラスチックを効率的に回収するシステムを開発。
2021年には太平洋の“ごみベルト”から100トン以上のプラスチックごみを除去したと報告しています。
📚 出典
- The Ocean Cleanup (2022). System 002 Results Report. 公式サイト
モラルが未来をつくる ― プラスチックとどう向き合うか
私は、現時点でプラスチックを「悪」とは思いません。
それをどう使うか、どう捨てるかを考えない私たちのモラルこそが問われているのです。
便利なものをただ享受するのではなく、
「これを使うことで、未来にどんな影響があるのか?」
一度イメージしてみる。
その意識の積み重ねこそが、
自分の生きる時代だけでなく、未来へ残す環境をつくっていく第一歩なのだと思います。
【まとめ】
- プラスチックは生活を支える重要な素材である
- 同時に、環境・健康への影響も無視できない
- 回収や代替技術の研究も進んでいる
- 最後に問われるのは「私たちの使い方」と「責任」
Thank you for reading this blog, everyone 🙂



