目次
はじめに
近年のガソリン価格の変動について、「値下げ」という言葉が使われることがありますが、実態としては**補助金や市場調整によって一時的に“適正水準に戻った”**と捉える方が正確です。本記事では、今回の価格変動で誰が恩恵を受け、誰がそうでなかったのか、軽油とガソリンの税制の違い、そして今後の生活や展望について。
ガソリン暫定税率は、半世紀を経てR7年12月31日で廃止されました。暫定税率の廃止と同時に補助金も終了しましたが、ガソリンの小売価格の変動は生じないようです。
それに伴い問題の概要
政府・与党は2026年度税制改正に向けて、次の措置により財源確保を進めています。
- 賃上げ企業への減税措置の縮小
- 金融所得が多い超富裕層への課税強化
これにより、
👉 約1.2兆円の増収を見込む
さらに、
- 歳出改革(支出の見直し)
を合わせて、
👉 計約1.4兆円の財源を確保
しかし、必要とされる財源全体に対して
👉 残り約0.8兆円が未確保
という状況です。
ガソリンは「値下げ」ではなく「適正価格への調整」
日本のガソリン価格は、以下の要因で構成されています。
- 原油価格(国際市況)
- 為替(円安・円高)
- 精製・流通コスト
- 税金(ガソリン税・地方揮発油税・消費税)
2022年以降の高騰に対しては、政府が燃料油価格激変緩和補助金を導入し、価格を抑制してきました。今回の価格低下は、
- 原油価格の落ち着き
- 補助金制度の調整 が重なった結果であり、恒久的な減税や税率引き下げによるものではありません。
つまり「安くなった」のではなく、「高すぎた状態から一時的に戻った」と言えます。
出典:資源エネルギー庁「燃料油価格激変緩和対策事業」
ガソリン価格が下がり始めた主な時期
① 補助金制度が本格導入された時期
2022年1月27日〜
- 政府が
「燃料油価格激変緩和対策事業」
を開始 - 以降、補助金額を調整しながら価格を抑制
- この時点は「値下げ」というより上昇抑制
出典
資源エネルギー庁
https://www.enecho.meti.go.jp/category/petroleum_and_lpg/price/
② 明確に“下落傾向”が見え始めた時期
2023年1月〜3月ごろ
- 原油価格(WTI・ドバイ原油)が下落
- 円安が一時的に落ち着く
- 補助金が最大水準で継続
この頃から
「ピーク時(2022年夏)より下がった」
と多くの地域で体感され始めました。
出典
・資源エネルギー庁 石油製品価格調査
・経済産業省 市況データ
③ 「最近の値下げ」と言われる動き
2024年後半〜2025年初頭
- 原油価格が比較的安定
- 補助金制度が縮小・調整されながらも継続
- 結果として小幅な下落・横ばい
ただしこれは
減税や制度変更による値下げではない
点が重要です。
恩恵を受けた人・受けなかった人
恩恵を受けた人
- 日常的に自家用車を使う地方在住者
- 物流・運送業(ただし軽油主体)
- 農業・建設業など燃料使用量が多い業種
恩恵が限定的だった人
- 都市部で車利用が少ない世帯
- 公共交通中心の生活者
- すでに燃料費を価格転嫁していた事業者
価格調整は全国一律のため、車依存度が高い地域ほど体感差が大きくなります。
軽油はなぜガソリンと違うのか
「軽油は税金がかかっていない」は正確か?
正確ではありません。
- 軽油には 軽油引取税(地方税) が課税されています
- ただし、ガソリン税(国税)や地方揮発油税は課税されていません
結果として、
- ガソリン:
- ガソリン税(国)
- 地方揮発油税
- 消費税
- 軽油:
- 軽油引取税
- 消費税
となり、税負担はガソリンの方が重い構造です。
なぜ差があるのか
- 軽油は物流・産業用途が中心
- 生活・経済への影響が大きいため、政策的に抑制されてきた
出典:総務省「地方税制度」、財務省資料
二重課税の問題
日本の燃料価格には、
- ガソリン税等を含んだ価格に
- さらに消費税を課す という事実上の二重課税があります。
この点は、
- 国会
- 会計検査院
- 有識者 からも長年問題視されていますが、制度は維持されたままです。
出典:会計検査院報告、財務省税制説明資料
ガソリン代が下がって生活は変わるのか
結論から言うと、 生活が大きく変わるほどの影響は限定的です。
理由:
- 一世帯あたりのガソリン支出は、家計全体の一部
- 食料品・電気・ガスなど他の物価は依然高水準
- 補助金は恒久措置ではない
短期的には、
- 月数千円の可処分所得増 程度の効果にとどまるケースが多いと考えられます。
出典:総務省 家計調査
今後の展望
- 補助金縮小・終了の可能性
- 原油価格・為替次第で再上昇リスク
- 税制(暫定税率・二重課税)見直しは依然不透明
根本的な解決には、
- 燃料課税の簡素化
- 車社会を前提とした地方政策
- EV・代替エネルギー移行の現実的設計 が必要とされています。
まとめ
- 今回のガソリン価格低下は「値下げ」ではなく「一時的な調整」
- 恩恵は車依存度が高い層に集中
- 軽油は無税ではなく、政策的に税構造が異なる
- 二重課税問題は未解決
- 生活への影響は限定的で、将来の不確実性は高い
短期的な価格に一喜一憂するより、制度そのものを見る視点が重要と言えるでしょう。
ただ、財源が減ったということは今まで必要だった財源がなくなったということなの
で財源の確保を今後していくことが予想されます。どちらにせよ、無駄な財源にならな
いように精査して、貴重な血税を役立てて欲しいものです。
忘れてはならないのは、暫定税率は道路財源を充実させるために、1974年に2年間
限定で導入されました。その後、延長や税率引き上げを繰り返し、2009年に使途を
限定しない一般財源へとなったということです。約半世紀の税金でしたが、日本は問題
の精査ではなく、財源をどうにか確保することに注力を注いでいるように見えるのは私
だけでしょうか? 私たちができることは何?
Thank you for reading this blog, everyone 🙂




