2027年1月からの開始が予定されている「子供版の新NISA(こどもNISA)」税制改正により2027年から開始されるこどもNISAは、0歳から17歳の子どもが年間60万円、合計600万円を上限に非課税で投資できるという新しい税制優遇制度です
「これまでのジュニアNISAと何が違うの?」「学資保険は解約すべき?」と迷っているパパ・ママも多いのではないでしょうか。
この記事では、最新の制度概要と、**「もし0歳から18歳まで積み立てたらどうなるか?」**というシミュレーション結果、そして学資保険との決定的な違いについて解説します。
目次
- 1 はじめに(重要な前提)
- 2 ジュニアNISAとは
- 3 想定されている主な違い(案ベースの比較)
- 4 毎月2万円で検証!新NISA積立シミュレーション
- 5 18年後の最終金額(シミュレーション結果)
- 6 【実践編】児童手当を全額回したらどうなる?
- 7 児童手当は「貯金」より「時間」を使った方がいい
- 8 児童手当の総額(第1子・第2子)
- 9 この234万円を「親名義の新NISA」で運用したら?
- 10 「学費が足りないかも」を運用で補うという考え方
- 11 【参考】第3子以降の場合はどうなる?
- 12 実際にやるならどうする?
- 13 「貯金」だけでは危険なのか?
- 14 結論:「学資保険」と「新NISA」の最強の棲み分け方
- 15 運用中に知っておきたい「3つのQ&A」
- 16 まとめ:未来の子供へのプレゼント
はじめに(重要な前提)
本記事では、
- すでに制度として存在した「ジュニアNISA」
- 構想・案として語られている「こどもNISA」
この2つを混同しないように整理しつつ、将来制度化された場合に想定される違いと、子供の親として今考えておくべき視点をまとめます。
ジュニアNISAとは
制度の位置づけ
- 2016年〜2023年まで存在した未成年向けNISA制度
- 2023年末で新規投資は終了
- 既存口座は18歳まで非課税で保有可能
主な特徴
- 非課税投資枠:年80万円/最大400万円
- 非課税期間:原則5年(終了後はロールオーバー)
- 18歳まで原則引き出し不可(例外あり)
- 株式・投資信託の両方に投資可能
課題点
- 引き出し制限が厳しく、教育資金として使いづらい
- 制度が時限的で、長期設計が立てにくかった
想定されている主な違い(案ベースの比較)
① 制度の恒久性
ジュニアNISA
- 時限制度(すでに終了)
こどもNISA
- 恒久制度として設計される可能性
- 18歳以降は通常のNISAにスムーズに接続される想定
👉 実現すれば「途中で制度がなくなる不安」は小さくなると考えられます。
② 資金引き出しの柔軟性
ジュニアNISA
- 原則18歳まで引き出し不可
- 教育資金としては使い勝手が悪かった
こどもNISA(案)
- 一定年齢(例:12歳以上)入学金・授業料など教育目的に限定して引き出し可能とする
👉 教育資金と資産形成を両立させる設計が意識されています。
③ 非課税保有限度額
ジュニアNISA
- 最大400万円
こどもNISA
- 最大600万円程度に拡大する案
👉 インフレ・教育費高騰を踏まえた水準と考えられますが、確定情報ではありません。
④ 投資対象商品
ジュニアNISA
- 株式・投資信託ともに可
こどもNISA
- つみたて投資枠対象商品(投資信託)に限定
- 個別株は不可とする方向性
👉 値動きの大きい個別株を排除し、長期・分散・積立を前提とした「教育向け設計」が意図されていると考えられます。
毎月2万円で検証!新NISA積立シミュレーション
まずは、数字で見てみましょう。
児童手当や月々の家計から**「毎月2万円」**を捻出し、0歳から18歳(大学入学直前)までの18年間積み立てた場合のシミュレーションです。
- 元本(タンス預金): 金利0%
- 堅実運用(新NISA): 年利3%(債券などを混ぜた運用)
- 積極運用(新NISA): 年利5%(全世界株式など)
▼ 18年間の資産推移
18年後の最終金額(シミュレーション結果)
※ 毎月2万円 × 18年(216か月)
※ 年利は月利換算・複利計算
※ 2026年1月時点の一般的な試算方法
| 運用方法 | 18年後の資産額 | 増加分 |
|---|---|---|
| 元本のみ(0%) | 4,320,000円 | ― |
| 堅実運用(年3%) | 約5,718,807円 | +約140万円 |
| 積極運用(年5%) | 約6,984,040円 | +約266万円 |
👉 利回り2%の差で、約126万円の差が生まれます。
シミュレーション結果の解説
上記のグラフをご覧ください。時間を味方につけることで、以下のような差が生まれます。
- 預金のみ(灰色):元本は432万円です。当然ですが、増えも減りもしません。
- 新NISA 年利3%(青):最終金額は約570万円。預金より約138万円増える計算です。
- 新NISA 年利5%(赤):最終金額は約690万円。預金と比較して約258万円も多くなります。
18年という長期期間運用することで「複利効果」が働き、元本の1.5倍以上の教育資金を用意できる可能性があります。これが新NISAを活用する最大のメリットです。
※ 元本は同じ432万円でも、運用次第で200万円以上の差が出る可能性があります。
【実践編】児童手当を全額回したらどうなる?
児童手当は「貯金」より「時間」を使った方がいい
児童手当は、多くの家庭でそのまま普通預金に置かれがちです。
しかし実際には、18年間という長い時間を活かせる数少ない資金でもあります。
現在の制度(2024年10月改正)では、
第1子・第2子の場合、0歳から高校卒業までに 合計234万円 が支給されます。
児童手当の総額(第1子・第2子)
計算根拠(2024年10月以降)
- 0歳〜3歳未満:
15,000円 × 36か月 = 54万円 - 3歳〜高校卒業:
10,000円 × 180か月 = 180万円
👉 合計:234万円
※ 所得制限は撤廃されています。
この234万円を「親名義の新NISA」で運用したら?
※ 現在、新NISAは 18歳以上のみ対象 のため、
実務上は親名義で運用し、将来教育資金として取り崩す方法になります。
18年後の運用結果シミュレーション(毎月積立)
| 運用スタイル | 想定利回り | 最終金額 | 利益 |
|---|---|---|---|
| 現金貯金 | 0% | 234万円 | ±0円 |
| 堅実運用 | 年3% | 約314万円 | +80万円 |
| 標準運用 | 年5% | 約385万円 | +151万円 |
| 積極運用 | 年7% | 約477万円 | +243万円 |
年利5%という比較的現実的な想定でも、
貯金との差は約150万円になります。
これは、
- 私立大学の入学金
- 授業料1年分
をほぼカバーできる金額です。
「学費が足りないかも」を運用で補うという考え方
教育費は、
- 必要な時期が決まっている
- 長期間かけて準備できる
という特徴があります。
そのため、
すべてを貯金で備える
よりも
時間を味方につけて一部を運用で補う
という選択肢は、非常に合理的です。
もちろん、
- 元本保証はありません
- 年によっては評価額が下がる可能性もあります
ただし、18年という長期で見れば、
リスクは時間によって分散されていきます。
【参考】第3子以降の場合はどうなる?
2024年10月から、
第3子以降は月3万円(0〜18歳) に増額されました。
支給総額
- 30,000円 × 216か月 = 648万円
年利5%で運用した場合(試算)
- 最終金額:約 1,060万円
- 利益:約 +412万円
多子世帯では、
新NISAの効果がより大きく出やすいことが分かります。
実際にやるならどうする?
現実的な流れは以下です。
- 親名義で新NISA口座を開設
- 児童手当相当額を毎月積立設定
- 全世界株式などの長期向け商品を選択
- 高校卒業〜大学進学時に段階的に取り崩す
「貯金」だけでは危険なのか?
「元本割れが怖いから貯金でいい」という意見もありますが、実は貯金にもリスクがあります。それは**「インフレ(物の値段が上がること)」**です。
「お金の価値」の変化
1975年には年間3.6万円だった国立大学の授業料は、現在約54万円と約15倍に値上がりしています。
今後も物価や人件費の上昇に伴い、子供が18歳になる頃には学費がさらに上がっている可能性があります。「今の100万円」で買えるものが、将来は買えなくなる(現金の価値が目減りする)。このリスクに備えるために、インフレに強い「株式」などで資産の一部を持つことが合理的なのです。
結論:「学資保険」と「新NISA」の最強の棲み分け方
では、学資保険は不要なのでしょうか?
結論は**「役割が違うので、混ぜて持つ(ハイブリッド戦略)のが正解」**です。
それぞれの特徴を表にまとめました。
| 項目 | 学資保険(守りの資産) | こども新NISA(攻めの資産) |
| 役割 | 「絶対に確保したいお金」を用意する | 「インフレに負けないお金」を作る |
| 主な使い道 | 大学の入学金、初年度納付金 | 留学費用、一人暮らし費用、大学院進学 |
| 資金の出処 | 毎月の家計からコツコツ | 児童手当やお祝い金、余裕資金から |
| メリット | 親に万一のことがあれば支払免除がある | 運用益が非課税で大きく増える可能性がある |
| デメリット | インフレに弱い(増えにくい) | 元本割れのリスクがある |
おすすめの戦略
- 学資保険で土台を作る:「大学の入学金」など、絶対に減らしてはいけない最低限の資金は、元本確保性の高い学資保険(または預金)で確保します。
- 新NISAで上乗せを狙う:将来の物価上昇への対抗策、あるいは「私立理系」「留学」といった高額な進路にも対応できるよう、新NISAで資産の最大化を狙います。
運用中に知っておきたい「3つのQ&A」
新NISAを始めるにあたって、パパ・ママが不安に思うポイントを解消しておきましょう。
Q1. 途中で引き出すことはできるの?
A. 可能です。
2026年時点の案では、子供が12歳(中学校入学時)や15歳(高校入学時)などの節目で引き出せる仕組みが検討されています。学資保険のような「解約ペナルティ」がないため、急な塾代や習い事の費用が必要になった際も柔軟に対応できるのが新NISAの強みです。
Q2. 18歳になったら口座はどうなるの?
A. 自動的に「成人NISA」へ引き継がれます。
子供が18歳になると、口座の管理権限が子供本人に移ります。親が作ってくれた資産をそのまま運用し続けることも、大学の費用として使うことも自由です。まさに「資産運用のバトン」を渡すことができます。
Q3. 元本割れがどうしても心配…
A. 「時間の分散」と「商品の分散」が解決策です。
18年という長期運用は、過去のデータ上、元本割れのリスクを極めて低く抑えられることが証明されています。全世界の株式に広く分散投資する投資信託を選べば、一時的な暴落があっても回復を待つ時間があるため、過度に恐れる必要はありません。
まとめ:未来の子供へのプレゼント
こども新NISAは、単にお金を増やすだけでなく、18歳になった子供へ「非課税枠を持った証券口座」ごと資産を渡せる制度です。これは、親が子供にしてあげられる「最初の金融教育」であり、大きなプレゼントになります。
今後制度の変更がないとは言い切れないので、正しい情報に目を向けながら最善をとる必要があります
【Next Action】まずは「親の口座」から
子供の口座開設が始まるのは2027年1月(予定)ですが、今すぐできることがあります。
**「まずは、親であるあなた自身の新NISA口座を開設・活用すること」**です。
多くの証券会社では、未成年口座を開設するには「親権者がその証券会社に口座を持っていること」が条件となります。また、まずは親の老後資金や生活防衛資金が整っていないと、子供のための投資を続けることはできません。
2026年の制度詳細発表を待ちながら、まずはご自身のNISA枠の状況を確認し、どこの証券会社で子供の口座を作るか検討することから始めてみましょう。
Thank you for reading this blog, everyone 🙂




